15.

2/5
前へ
/40ページ
次へ
「どうしたの?眠そうだね」 菜花に声を掛けられて、海月は机に伏せていた顔を上げる。 「おはよう…」 次の講義は菜花も一緒だ。 海月が隣の席に置いていた荷物をどけると、そこに菜花が座った。 動いた瞬間、下腹がキリッ…と痛み、海月はそこに手を当てる。 …まだ、中に理紫が入ってるみたい。 身体が、理紫のカタチを覚えている。 朝、ぐっすりと眠っている理紫の腕から抜け出して、海月は1人でシャワーを浴び、大学へ行く用意をした。 理紫を起こさない様に、なるべく音を立てず、 『朝から講義があるので、行ってきます。鍵は掛けたらポストに入れておいて下さい』 と手紙を書くと、スペアキーと一緒にテーブルに置いて家を出てきた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1428人が本棚に入れています
本棚に追加