第8話 14.

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理紫は一頻(ひとしき)り笑うと、涙を指で拭きながら、 「てかさぁ、海月…、まさか玄関で、最後までヤられちゃうと思ってたの?」 歯に衣(きぬ)を着せぬ物言いで、とんでもない事を言ってきた。 「いっくら、俺ががっついてるからって、海月と俺の初めて、こんなトコですると思う?」 理紫は頭に手をあてて、面白そうに、瞳をキラキラと甘く輝かせる。 海月はそれを聞いて、口をパクパクさせた。 理紫は、まだクスクスと笑いながら、話を続ける。 「それに、俺はシャワーでいいと思ってるけど、海月が風呂に入りたいって言うなら…」 この顔は何か企んでる顔…。 今度は、何を言うつもり? 理紫が、魅惑的に笑顔を煌めかせながら、 「…一緒に入る?」 そんな事を言うから、海月はヘナヘナとしゃがみ込んでしまった。 もう、私には刺激が強すぎるっ! 「海月?」 「…知らないッ!」 海月は玄関で、体育座りをして、自分の膝に顔を埋(うず)めた。
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