第9話

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その切な気な声に、海月の胸もズキン…と痛む。 「嘘つき…」 そんな声で言うなんてズルい。 私だって、傷付いてる。 …今までどんなに傷付いてきたかなんて、理紫には分からない。 「何ンで、嘘つき?」 耳元で話す理紫の声が、海月の心を震わす。 「…人前であんな事して、後悔しても知らないから」 「あんな事って?」 「…キスして、《俺のモノ》って、言った事」 分かってるくせに…。
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