第9話

18/18
前へ
/40ページ
次へ
理紫が口元に優しい笑みを浮かべ、 「そうだよ」 と、海月の髪に触れる。 理紫の瞳に甘い光を見つけて、海月は次にされる事が分かり、濡れた睫毛をゆっくりと伏せた。 大事にしよう、この時を。 やっと、理紫の《今の彼女》になれたのだから。 他の女の子達みたいに、1ヶ月しか側にいられないかもしれないけれど、…1日でも長く、理紫と一緒にいられる様に。 海月の口唇に、柔らかく理紫の口唇が重なる。 キスは何度もしたけれど、海月にとっては特別なキスだった。 いつかは終わる、始まりの、契約のキスの様だった…。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1680人が本棚に入れています
本棚に追加