1680人が本棚に入れています
本棚に追加
「…海月、前から出よう」
菜花が方向転換して、前の扉に向かおうとする。
少し傾斜になった机の脇を急いで下って行こうとすると、
「あっ、吉村さぁん!」
「あそこに居ましたよ~!」
「吉村さん!吉村さんに用事があるって~!」
後ろの扉から、口々に女の子達の海月を呼ぶ声がした。
菜花の足が止まる…。
振り向くと、理紫が引き連れていた女の子達にお礼を言って、海月達の所へ降りてこようとしているところだった。
理紫は長い足でトントンと軽やかに、海月達の前まで降りて来ると、菜花に向かって、
「よっ!」
と、声をかける。
菜花が嫌な顔をした…。
最初のコメントを投稿しよう!