第9話

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「…海月、前から出よう」 菜花が方向転換して、前の扉に向かおうとする。 少し傾斜になった机の脇を急いで下って行こうとすると、 「あっ、吉村さぁん!」 「あそこに居ましたよ~!」 「吉村さん!吉村さんに用事があるって~!」 後ろの扉から、口々に女の子達の海月を呼ぶ声がした。 菜花の足が止まる…。 振り向くと、理紫が引き連れていた女の子達にお礼を言って、海月達の所へ降りてこようとしているところだった。 理紫は長い足でトントンと軽やかに、海月達の前まで降りて来ると、菜花に向かって、 「よっ!」 と、声をかける。 菜花が嫌な顔をした…。
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