第9話

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「どういう事よっ!」 声を荒げる菜花を無視して、理紫は海月に近付いてくる。 菜花にあんな事を言ってしまって、理紫の事を怒らなきゃいけないのに…。 それなのに、甘く見つめられて、海月は、そのまま動けなくなった。 「海月…」 そっと、おとがいに触れられ、前屈みになった理紫に、吸い込まれる様に口付けられる。 …周りからどよめきが起こったのが聞こえた。 その周りの反応に、海月がピクンと肩を震わせると、ちゅっ…と音を立てて、すぐに理紫の口唇が離れていく。 「…続きは後でね」 身体を離す間際、そんな事を囁かれ、海月はやっと自分がキスされた事を自覚した。 一気に、恥ずかしさがこみ上げてくる。
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