第9話

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海月がため息をつくと、 「ブーッ!時間切れ!」 理紫が嬉しそうに言った。 ちょっ、ちょっと待って! キスされた上に、こんな所で抱き上げられるのだけはっ! 「…一緒に行きます!」 海月が諦めてそう言うと、理紫はフッ…と笑って、海月の手を取った。 そして、菜花から海月の荷物を受けとり、 「じゃ、またな」 と、菜花に右手を上げる。 「海月、後は何とかするから、…今夜、電話しなさいよ」 菜花がしょうがないと、海月に苦笑いした。 すると突然、 「…海月、逃げるぞ!」 えっ? 理紫はそう言うと、海月の手を引いたまま走り出す! 逃げるって、何からっ? もう、訳が分からないっ!
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