第9話

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ハァ、ハァ…。 息が切れる、どこまで行くの? 「理紫…、待っ…て」 やっと構内を抜けると、息も絶え絶えになりながら海月は理紫に声をかける。 理紫は笑いながら、入り口の石階段の、上から2段目に腰掛けた。 海月も隣に座り込む。 「…だから、抱いて連れて行こうかって言ったのに」 横の手摺りに肘を付き、手の甲を口元にあてると、理紫はクックッと笑った。 「…何ンで、息…、切れて、ない…の?」 ハァハァと胸に手をやる海月に、 「まぁ、鍛え方が違いますから」 と、また笑いながら言う。 信じられない…と、海月は首を振り、動悸を抑える為に膝を抱えて俯いた。 「私、死んじゃいそう…」 思わず呟いた、その耳元で、 「…その言葉は、今夜ベッドで聞きたいな」 と理紫が艶めいた声で囁く。 「…っ!」 動悸が別の意味で激しくなった。 「…っていうか、今からでもいいけど?」
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