第9話

1/18
前へ
/40ページ
次へ

第9話

「あ~っ!吉村さん、居た居たぁ~!」 今度は、普段はあまり話さない同じ学部の子が呼びかけて来た。 パタパタと駆け寄ってくる。 「吉村さん、徳井さんって人が、吉村さんの事、探し回ってるよ~!知り合いなの?」 えっ、理紫?どうして…。 「素敵な人だね~!私にも紹介してよ!」 驚き過ぎて、声も出ない。 何でわざわざ…。 ここに何しに来たの? そんな中、菜花が海月の荷物も片付けて、その手を強く引いた。 「…海月、行くよ!」 「ちょっと、菜花…!」 備え付けの机の間をすり抜けて、講堂の後ろの扉に向かおうとした時、廊下からはしゃぐ女の子達の声が聞こえて来た。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1680人が本棚に入れています
本棚に追加