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第9話
「あ~っ!吉村さん、居た居たぁ~!」
今度は、普段はあまり話さない同じ学部の子が呼びかけて来た。
パタパタと駆け寄ってくる。
「吉村さん、徳井さんって人が、吉村さんの事、探し回ってるよ~!知り合いなの?」
えっ、理紫?どうして…。
「素敵な人だね~!私にも紹介してよ!」
驚き過ぎて、声も出ない。
何でわざわざ…。
ここに何しに来たの?
そんな中、菜花が海月の荷物も片付けて、その手を強く引いた。
「…海月、行くよ!」
「ちょっと、菜花…!」
備え付けの机の間をすり抜けて、講堂の後ろの扉に向かおうとした時、廊下からはしゃぐ女の子達の声が聞こえて来た。
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