第10話
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桐谷は、そっと海月の頬に手を添えて、愛しげに名前を呼ぶ。 「みぃちゃん…」 けれど、海月は虚ろな瞳で涙を零し続けているだけで…。 「みぃちゃん…?」 ガチャーンッ…ツ! 次の瞬間、窓が割れる激しい音が響く。 桐谷が振り向くと、理紫が割れた窓から手を入れて鍵を開け、中に入って来るところだった。 「…やってくれるね」 桐谷が苦笑いする。
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