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「海月…、もう大丈夫だから」
心配する理紫にさえ、怯えた瞳を向けて海月は首を振る。
「だめ…、いや…」
理紫が触れようとするが、首を振る速度を速めるだけだ。
「…見ないで」
頬を伝う涙…。
理紫は、海月の表情に恐怖だけではなく、自分に対する罪悪感みたいなモノを感じ取り、胸が締め付けられた。
「…海月のせいじゃないだろ?」
その言葉に、海月は目を瞠(みは)る。
「怖かったのに、すぐに守ってやれなくてごめん…」
理紫の自分を責める様に揺らめいている瞳を見て、海月の目からみるみると涙が溢れ出した。
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