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仕方ない…、と理紫は思った。
ある程度、話さないとこの人は納得しないだろう。
「…恭さん、それは俺に大学辞めろって事ですか?」
睨みつけてくる瞳を見据える。
「チャンスっていうのは、いつも巡ってくるとは限んないんだぞ…」
「…俺、教員免許欲しいんですよね」
「何だ…?」
「…つーか、卒業した時の安定した職業」
頭の良いこの人なら、ここまで言えば分かるだろう。
桐谷は暫く黙っていたが、
「…お前には、教師なんて似合わねーよ」
と言うと、いきなり部屋を飛び出した。
「ちょっ、恭さん?!」
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