第10話

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仕方ない…、と理紫は思った。 ある程度、話さないとこの人は納得しないだろう。 「…恭さん、それは俺に大学辞めろって事ですか?」 睨みつけてくる瞳を見据える。 「チャンスっていうのは、いつも巡ってくるとは限んないんだぞ…」 「…俺、教員免許欲しいんですよね」 「何だ…?」 「…つーか、卒業した時の安定した職業」 頭の良いこの人なら、ここまで言えば分かるだろう。 桐谷は暫く黙っていたが、 「…お前には、教師なんて似合わねーよ」 と言うと、いきなり部屋を飛び出した。 「ちょっ、恭さん?!」
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