第10話

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「…理紫もマスターもどこに行っちゃったんだろ…?」 海月は、する事もなくて全てのテーブルとカウンターを拭き終えると、ふぅっ…と息をつき、カウンター椅子に腰掛けた。 かれこれ30分は経っているだろう…。 海月がもう1度、時計を見た時、奥のドアが開く音がして、桐谷がドンドンと足音を鳴らしながら入って来た。 「あっ、マス…、恭史さん、どこに…」 けれど、立ち上がった海月の事は一瞥もせずに、入り口の扉に向かい、荒々と鍵を閉める。 カラン…と、カウベルが鳴った。 「どうしたんですか?」
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