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今の桐谷は、昨日泣いている海月を慰める為に、優しく抱き締めてくれた桐谷とはまるで違っていて、海月は身体を震わせた。
「やめっ…っ、ふっ…」
海月は腕を突っ張るが、桐谷はびくともしない。
しかも、口唇を重ねられながら、さっきの桐谷の言葉が海月の頭をぐるぐると回って…。
『サトは君の為に未来を捨てようとしているよ』
どういう意味なの?
その時、ダンダンッ!っと、扉を叩く音がした。
「開けろっ!」
理紫の声…!
嫌っ!こんな所見られたくないっ!
「離し…てっ!」
海月は力の限り胸を押し返し、桐谷に口唇を解放されるが、そのままその胸に閉じ込められる。
「…待つなんて莫迦な事した。とっとと、こうしてりゃ良かったんだ」
頭上から桐谷が呟く声が聞こえた。
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