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第13話
だって、そんな事を思ってしまう私も同じだから…。
「…理紫と、一緒に」
そう言うと、身体を起こされ、掻き抱く様に抱き締められる。
…こんなにも、大事にされていたのに何も分かっていなかった。
しかも、自分の事ばかり考えて、理紫から逃げ出したりして…。
「ずっと…、ずっと好きでいて、くれたの?」
泣きながら、海月も理紫の背中に手を回してしがみつくと、
「…海月だけ、だったよ」
と、理紫が切なく吐息に近い声で囁いた。
「ずっと、海月しかいらなかったし、欲しくなかった…」
理紫の言葉の1つ1つが、海月の心の1番深い所を甘く震わせる。
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