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「…ありがとうございます」
水を一口含むと、爽やかなレモンの香りがする。
「ゆっくりしておいで。丁度お客さんも少ない時間帯だし、気にしなくていいからね?」
桐谷はそう言うと、カウンターの中へと入っていった。
「すみません…」
海月はコトン…とカウンターテーブルにおでこを落とす。
頭がワンワンして、どうしようもない…。
朦朧とする頭で時計を見ると、もう面接の時間が近付いている。
(遅れるって、連絡しなくちゃ…)
けれど、カバンを開けて中から携帯を取り出そうとすると、手が滑ってバサバサと中身を派手にぶちまけてしまった。
(何やってるの…、もう)
情けなくて、涙が滲んでくる。
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