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すると、
「いいよ、そのままで」
と声がして、目の前に乳白色のカフェオレボウルがコトリ…と置かれた。
「良かったら、飲んで。落ち着くから」
桐谷はそう言うと、しゃがんで海月の荷物を拾い集める。
「あっ、自分でやりますから…」
そこまではさせられないと、海月も椅子から立ち上がりしゃがみ込む。
「本当に、ご迷惑かけてすみません…」
「迷惑じゃないよ、ツラい時はお互い様」
ニッコリと笑った桐谷を見て、海月は自分の心の奥まで見透された様な気がした。
最後に残った封筒に手をやると、2人の手が重なる。
「……っ!」
海月が思わず手を引くと、桐谷がクスッ…と笑って、その封筒を拾った。
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