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「まぁーた、そんな顔する」
下口唇を噛んで、うるうると見つめると、上掛けごとキュッと抱き締められた。
「…こんなに可愛くて、オニイサン、たまりませんよ」
「だめっ、ごまかされないからっ」
けれども、理紫に自分の付けた跡をペロリと舐められて、ピクン…と肩が震えてしまう。
「…高校の時はコレの意味も、何も知らなかったのにね」
囁かれる色めいた低い声が、身体の奥まで響き、海月は腰が抜けそうになる。
「そっ、そんなのっ!」
だから海月は、理紫の言葉を払いのける様に、
「高校生でそんな事知ってる子なんて、そうそういないんだからっ!」
そう言うと、理紫は瞳を大きく見開いて、次の瞬間、プッ…と吹き出すと堪えきれないという風に笑い出した。
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