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「じゃあ、何ンでまた泣くんだよ?」
優しく背中をさすられて、クスン…と洟を啜ると、邪魔する喉の奥の痛みを飲み込む。
「だって、嬉し…」
やっと、声に出した言葉は語尾が掠れてしまった。
けれど曇る視界の中、それを聞いた理紫が何故か驚いた様に瞳を見開いていて…。
「理…紫?」
海月が、また何か変な事をしてしまったかと思い不安げに名前を呼ぶと、「…まいるよ、全く」言いながら理紫が破顔した。
「……じゃあ、契約成立って事だな」
「えっ…、あっ!」
次の瞬間、クルリと海月の世界が反転する。
気付けば、海月は床に押し倒されていた。
「あ…、あの…」
「…ん?」
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