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その時、触れ合った部分の理紫の体温が急に上がった気がした。
変な事言っちゃったかな…、何も言ってくれない理紫に海月は不安になってくる。
すると、頭上からハァ…っと、ため息まで落ちてきた。
「…この、無自覚ちゃんが」
「え…、何?」
ぼそりと呟いた理紫の言葉は、海月にはよく聞こえない。
「何んて、言ったの?」
「…こんな所で、無防備にそんな可愛い事言って、俺に何んかされないように気を付けろよって、言ったの」
「……っ!」
口唇の端を少し持ち上げ、色を含んだ低い声でそんな事を言うから、海月は飛び跳ねる様に理紫から離れる。
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