1325人が本棚に入れています
本棚に追加
熱くなった頬に手をやり言葉を止めて、「ずるい…」海月がポソリと呟く。
「ずるい…って何が?」
「私だけドキドキさせられて、いつも理紫は余裕だもん…」
「そう見える?」
『俺だって、余裕なんかないよ…?』理紫は海月のおとがいに触れると、優しく自分の方を向かせる。
「好きな子がこんなに側にいるのに、余裕なんかかましてらんないでしょ?」
そう言って海月の手を取ると、自分の胸に当てさせた。
自分と同じ位の速さの理紫の鼓動に、海月はひどく驚く。
「嘘…」
全然、そんな風に見えないのに。
最初のコメントを投稿しよう!