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「俺だって、海月にバレない程度にはカッコつけられるよ」
理紫は、ふざける様にそう言って苦笑するが、その色素の薄い茶色の瞳には金色の光が宿っている。
「それで…、海月は俺に可愛がって欲しくない?」
ふざけるような言い方の中にも、熱く真剣なものが混じっていて、海月の心臓がドクン…と音をたてた。
「俺は海月の事が、可愛いくて可愛いくて仕方ないんだけど…」
フッ…と目元を甘く緩め、そんな事を言われて、普通でいられる訳がない。
すんなりとした長い指先で顔にかかった髪を優しく払われ、海月がピクンと肩を揺らすと、色を孕ませた低い声で囁かれる。
『可愛がらせて…?』
もう、駄目…。
腰に響く甘い疼きに耐えきれなくなった海月は、睫毛を震わせて、そっと瞳を閉じた…。
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