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「行ってらっしゃい」
陽子はニコニコとしながら、手を振って見送る。
「行ってきます」
パタン…。
ドアが閉まると、ふぅ…っと、理紫が息を吐いた。
「…本当に、汗かくよ」
「どうしたの？」
海月が見上げると、理紫が「ん…？」という顔をして、普通に戻した笑顔でクスリ…と笑う。
「…ミッション成功だけど、アレは陽子さん、気付いてるんだろうなぁ」
理紫は、背中に回していた手を肩に移動させ、
「そこまで考えてはいないんだろうけど」
そう言うと、グイッ…と海月を引き寄せた。
「…俺は、連れ込む気だから、覚悟して」
いきなり、あまく、耳に息を吹き込まれて、海月は肩まで身体を跳ねさせる。
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