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すぐに理紫の後ろに向かって手を上げて合図をすると、海月の立っている場所から程近い所に停められた乗用車から、こちらは、女が1人で出て来る。
海月は驚いて、理紫の掛けてくれたシャツを握り締めた。
男より若いその女は、チラリと海月を冷たく見やってから、
「坂木さん、何やってるんですかぁ~?」
と、男に向かって呆れたように叫ぶ。
女は短めのボブをかきあげると、そのままこちらへと、急ぎ足で向かって来る理紫と坂木というらしい男の方から視線を外さずに、
「あなた、彼の彼女?」
と、海月に問うて来た。
けれど、いきなり聞かれた海月はどう返していいか分からない。
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