第2話

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女は答えない海月に向き直ると、鞄から小型のレコーダーを取り出し「ちょっと、いいかしら?」と聞いてきた。 返事も待たずに、スイッチを入れる。 「職業はモデル?女優さん?どこの事務所に所属してるの?」 訳の分からない事を聞かれ、値踏みするように上から下へと遠慮なく見られて、海月は嫌な気分になる。 「…大学生です」 それでも答えてしまったのは、性格ゆえだろう。 その時、走ってきた理紫が、海月を守るように、手を伸ばして間に割って入ってきた。 「やめて下さいよ…」 女は構わずに、ニッコリと営業スマイルで話しかける。 「徳井 理紫くん、ね?色々とお話をお伺いしたいのですけれど」
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