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「つ…、つ…、連れ…」
理紫は、いたずらめいた瞳を煌めかせて、海月の顔を覗き込んできた。
「心配しなくても、そんな変な所には連れていかないから安心して?」
「連れて…、行くって?」
「今夜、海月のお父さんにも、きちんと話を聞いて頂かなきゃいけないし、大学で野暮用済まさなきゃならないから、帰るのは明日にしようと思って、泊まる所を取ってあるんだよね…」
お父さんと話?
泊まる所を取ってあるって…?。
モヤモヤとした気持ちがまた込み上げてくる…。
海月が歩いている足を止めると、スルリと肩に置かれた手が外れた。
「海月…?」
2、3歩先で止まった理紫が、不思議そうに半身で振り返る。
「…どうして、そうなの?」
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