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海月はコクリ…と息を飲む。
ーーー例え、ば…。
「例えば、理紫が車を買った事も、免許を持ってる事も、私は知らなかったし…」
「…それって、そんなに大事な事?」
理紫が口唇の端を持ち上げて、皮肉めいた笑みを浮かべる。
海月が首を振った。
「理紫にとっては小さな事でも私は知りたい。大きな事なら、尚更知りたいよ。今日だって、昨日も電話くれたのに、どうして帰ってくる事、教えてくれなかったの?」
そう、昨夜だって『好きだよ…』って、言ってくれたのに…。
目頭が痛くなって、鼻の奥がツン…としてきた。
「……ばか、浮気者」
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