第2話

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理紫は海月をサラリと支えると「ほら…」と促すように囁く。 「な…、何言って…」 「『浮気者』は心外だけど、妬かれるのは嬉しいし、海月に『ばか』って怒られると、すげぇ、クルわ」 言いながら、ふにふにと海月の口唇に親指で触れると、思い付いたようにゆっくりとその指を舐める。 「……っ!」 キラリと金色に輝いた瞳と、動物めいたその仕草に、海月は身体が震えるのを感じた。 「…まぁ、いいや。今じゃなくても、後でいっぱい悪いことして、海月に沢山怒ってもらうから」 息を飲んで黙ってしまった海月に、クックッ…と笑いながら、 「こっち。この先に停めてあるんだ」 と言って、掴んだ腕を引っ張るように早歩きで歩きだす。 「理…紫っ!」 長いリーチに付いていけなくて、転びそうになった海月が理紫の名前を呼ぶと、 「もう、聞かねー」 と、欲を含んだ低い声で呟くように言われる。
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