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けれども、
「…心配しなくても、海月の知りたいって言う事には、今以外だったら、聞いてくれれば全部答えるから」
海月の躊躇いを感じてくれたのか、そんな事を言ってくれるから…。
海月は必死で、引かれるがままに理紫の後を付いていった。
******
しばらく歩いて行くと、少し道がひらけて、無人のコインパーキングの黄色いカラーが見えてきた。
平日の昼間だけあって、住宅街の駐車場に停められている車は疎らだ。
「…どれ?」
呼吸を整えながら、海月が理紫を見ると、理紫は「アレ」と指を差しながら側に寄っていく。
国内メーカーの小型のハイブリッドカー。
車体はブルーメタリックだが、品が良い色味で海月の好きな色だ。
「海月、この色好きでしょう?」
すぐに聞かれて、海月はコクリと頷く。
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