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「…そのドアは、開かないよ」
耳元で吹き込まれる、低く掠れた声。
「やだ…、帰るんだから、離してっ…たら」
「本っ当に…、この子は何をしでかすか分からない」
理紫が海月の顔を少しだけ横に向かせ、後ろからこめかみに口付けてやると、海月の瞳が決壊を起こす。
「…今度は、何?」
優しい声音は甘く、愛しさを含んでいるのに、海月は気付かない…。
「理紫、幻滅…したんでしょ?」
「はいぃ…?」
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