第3話 3.

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「…そのドアは、開かないよ」 耳元で吹き込まれる、低く掠れた声。 「やだ…、帰るんだから、離してっ…たら」 「本っ当に…、この子は何をしでかすか分からない」 理紫が海月の顔を少しだけ横に向かせ、後ろからこめかみに口付けてやると、海月の瞳が決壊を起こす。 「…今度は、何?」 優しい声音は甘く、愛しさを含んでいるのに、海月は気付かない…。 「理紫、幻滅…したんでしょ?」 「はいぃ…?」
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