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「だい、じょ…ぶっ」
激しく鳴る鼓動…、それは走ってきたからだけじゃない…。
「…痛っ」
「海月、足…!」
足の裏に痛みを感じ、足元を見ると靴を履いていない。
「あ…、忘れちゃったみたい」
海月は理紫に掴まると、スカートをたくしあげて足を確かめた。
夜の闇に白い足首がほのかに映える。
「忘れちゃったっ…て」
肩を竦める海月に「仕方ないな…」と微笑うと、理紫が海月の膝裏に手を差し込んでフワリと抱き上げた。
「このまま送るから、家に着くまでに話聞かせて?」
海月は理紫の首に手を回して、ぎゅっと縋りつくと首を振る。
「…やだ、帰さないで」
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