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でも、あんな顔をさせてんのは…、俺なんだよ。
片手で目元を抑え、止まらない笑いを噛みころしながら、理紫はハタ…とあることを思い付く。
「そうか…。学校まで、送ってくか」
それは、以前海月を追い掛けて連れ去った時よりも、ずっと効果があるだろう。
指の隙間から金色を帯びた瞳が鈍く光る。
そうまでして、所有権を誇示したいものか…?
あぁ、したいね。アレは俺ンだ…。
思わず、ため息が漏れた。
…全く、自問自答にも即答する自分の想いってモンには呆れるよ。
理紫は億劫そうに立ち上がると、ベッドサイドにある時計に目を走らせる。
「…マズいな」
そう言うと、頭の中を切り替えるように軽く振り、周りに散乱した衣服を取り上げ身に付け始めた…。
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