はんぶんの月〈２〉/第6話

第6話

呼び鈴を鳴らすと、にこやかに陽子が扉を開けて出てきた。

「お疲れ様、遅かったのねぇ」

……お疲れ様？

海月が首を傾げると、陽子が２人を見比べるように見て、何故か嬉しそうに笑う。

「こんな時間になってしまって、すみませんでした」

理紫が頭を下げた。

「いいのよ。久し振りだったんだし、積もる話もいっぱいあったんでしょう？」

……全部知ってるくせに。

カァ…と頬が熱くなるのを感じ、海月は横にいる理紫をチラッと見るが、その平然とした態度にドキリとする。

「…ん？」

気付いた理紫に柔らかく微笑まれて、海月は更に朱く頬を染めた。