第6話

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バカなことを言っているとは、分かっている。 頂こうとしている子の母親に「幸せにします」と言うならまだしも、そんなことを言うなんて言語道断だ。 けれども、それが、自分にとっての現状で真実。 「以前にお父さんとも約束していたのに、まだ自分に満足のいく状態になっていません。それなのに、俺の我が儘を聞いて下さって…」 「サトくん」 話を続けようとする理紫を、陽子は名前を呼んで止める。 「海月はあなたにキチンといいお返事をしたのよね?」 「…はい」 「ならいいの。あなたが1人で決めたことではないでしょう?」 それに…と、陽子が理紫の瞳を見て優しく笑う。 「あれから、まだ3年も経っていないじゃない。もう、泣き言?」
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