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バカなことを言っているとは、分かっている。
頂こうとしている子の母親に「幸せにします」と言うならまだしも、そんなことを言うなんて言語道断だ。
けれども、それが、自分にとっての現状で真実。
「以前にお父さんとも約束していたのに、まだ自分に満足のいく状態になっていません。それなのに、俺の我が儘を聞いて下さって…」
「サトくん」
話を続けようとする理紫を、陽子は名前を呼んで止める。
「海月はあなたにキチンといいお返事をしたのよね?」
「…はい」
「ならいいの。あなたが1人で決めたことではないでしょう?」
それに…と、陽子が理紫の瞳を見て優しく笑う。
「あれから、まだ3年も経っていないじゃない。もう、泣き言?」
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