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『3年後には海月さんを幸せに出来る状態にして、その時こそ、必ず頂きに参りますから』
初めて挨拶をしに来た時に誠一に…、いや、何より自分に誓うように言った言葉。
泣き言か…、陽子に言われて、理紫は苦笑する。
そして、顔を上げる勢いで、長めの前髪を払った。
「…いえ、手応えもあるし、自信もあるんですけど」
挑発を受けて、理紫が鋭さを増した紅茶色の瞳を煌めかせて言うと、陽子がふふっ…と笑う。
「その方がサトくんらしいわよ」
その時、パタパタと廊下を走ってくる海月の足音が聞こえた。
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