第6話

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どくん……っ。 勢いよく飛び出す水に「…ごめん」と理紫がシャワーヘッドを取る。 トクトクトクトク…、速くなる心臓の音。 どうしよう…、肩が触れてる。 横目に見上げると、薄ボンヤリした暗闇の中、シャワーを頭からかぶって洗い流している理紫の姿。 程よく筋肉のついた均整のとれた身体の上を、ぬるめの湯が次々に弾かれ滑って流れていく。 この…、胸に抱かれたんだ…。 そしてこの腕に、狂おしいくらいの切なさと、どうしたらいいか分からないないくらいの幸せを与えられた。
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