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彼女も俺のことを全く知らないはず。
しかも彼女は泥酔状態で、
せめて彼女がシラフの時に引き合わせてほしかったと強く思ってしまった。
「あれ? 神崎さんじゃない!」
俺の肩にもたれかかっていた彼女が
急に頭を上げたかと思うと、
俺の顔を両手で掴みマジマジと焦点の合わない目で見てきた。
焦点が合わないせいか
彼女の顔がすごく近づいてきて、
あともう少し顔を近づければキスできそうな距離だった。
「咲ちゃん、
こいつ各務 由貴。
店が忙しくなってきたから
暫くこいつと話してて」
対応に困る俺を助けに来てくれたかと思ったがと、
その逆で完全に俺に彼女を押し付けついでに、
からかいに来たようだ。
本当に質が悪いにも程がある。
「各務さん?
私、
茅原 咲穂。
よろしくー」
神崎の声に反応するように咲穂が分からないがパッと俺から離れてくれ、
カウンターに項垂れながら
俺の顔を見つめ微笑む。
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