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仕方なく諦め、
とりあえず彼女を泣き止ませようと
頭を撫でてみる。
今の今まで声を上げて泣いていたのに、
余程驚いたのか涙はピタリと止まり、
ビクリと身体を強張らせた。
俺はソッと彼女の頭から手を離すと、
彼女はゆっくりと顔を上げ
俺を見てきた。
その顔は泣きまくったせいでマスカラが流れ落ち
すごい顔になっていた。
あまりの凄さに目を見張った俺に
彼女は化粧が落ちたことを悟ったのか、
恥ずかしそうに顔を隠しながら
トイレに駆け込んでいってしまった。
突然、
何も言わず席を立ち去ってしまった彼女に
俺はどうしたらいいのか分からず見送ったが、
しばらく待っても一向に戻ってこない彼女を次第に心配になり、
俺も彼女の後を追う。
でもトイレの前までは行ったはいいが、
さすがに中にまで入ることはできず
立ち往生。
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