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その間も数人の女性客が入れ替わり立ち替わりトイレを行き交う。
そのたびに嫌な顔をされ居心地が悪かったが、
トイレから出てこない彼女が気になって仕方なかった。
「ごめん。
連れが出てこないんだけど
中に居なかったかな?」
トイレから出てきた女性を捕まえ聞いてみる。
「あぁ……一人、
座り込んでいたわよ」
彼女が邪魔だったのか
少し迷惑そうに顔をしかめた。
確実に彼女だと思った。
俺は迷ったが最後の客が出てゆくのを確認し、
軽くノックをしてからソッと女性用トイレのドアを開けて中を覗いてみる。
目に飛び込んできたのは、
手洗いの水は流しっぱなし状態で、
下にしがみこむ彼女の姿。
俺は有様に呆れ、
ため息をつくととりあえず水を止めた。
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