婚姻届

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「おい、大丈夫か?」 軽く彼女の肩を揺さぶってみたが 反応はない。 仕方なく半ば無理やり腕を引っ張り 立たせようと試みると 「放っといてよ!」 寝ていると思っていた彼女が 急に大声を上げ、 ふらつきながら俺を押し退けてきた。 でもその反動でふらつき 壁にもぶつかってしまう。 立っているのもやっとなのに 何度も差しのべる俺の手を振り払う彼女。 酔っぱらい相手だと分かってはいても さすがに苛ついてきた声を荒立てる。 「おい! いい加減にしろよ!」 「だから放っておいて って言ってるでしょ!? 私なんて 結婚もできない女なんだから!」 俺の言葉に 彼女は支離滅裂な言葉は叫び、 またその場に膝を抱え座り込んでしまった。
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