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俺は堪らなくなって、
気づくと彼女の肩を抱き寄せていた。
俺の腕の中で、
少し体を強張らせる彼女を感じながら
俺は俺自身の行動に驚いていた。
確かに彼女のことは前から気にはなる存在だった。
でも話したのは今日が初めてで、
しかも彼女は酔いつぶれて
最悪な状態だった。
そんな醜態を見たばかりなのに
俺はなぜ、
こんなにも彼女を可愛いと……
愛しいと思ってしまうのか
分からなかった。
自分で言うのも可笑しいが
俺はそんなに惚れやすくもないし、
優しい人間でもない。
それなのに
彼女に関してはどうやら違うみたいだった。
でも、
そんな自分を信じたくなくて
彼女を解放しようとした瞬間、
彼女の腕が俺の背中に回され、
自ら俺に身を寄せてきた。
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