婚姻届

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「このままで居て。 ……なんかすごく落ち着く」 驚く俺を余所に彼女が俺の胸に頬をすり寄せてきた。 彼女から香る甘い香りに、 柔らかな身体に 俺の鼓動は一気に速まりだす。 ――理性がぶっ飛びそうだった。 このまま彼女を押し倒したい衝動に駆られたが、 ギリギリのところで自制心が働き それを耐えることができた。 一生懸命、 冷静を装いながら、 気を紛らわせるために お酒に手を伸ばす。 一気に喉に流し込もうとしたが、 動揺していたせいか グラスには殆どお酒が入ってなくて、 肩透かしを食らったような感覚に陥る。 妙なやるせなさを感じながら グラスを雑にテーブルに置く俺の目の前に、 入れ替わるように新しいお酒が置かれた。
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