期限

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「とにかく落ち着いて話し合おう。 うん……それがいい!」 まるで自分に言い聞かせるように言う。 男が納得するとは思わなかったが 混乱しすぎて頭が追いつかず、 とにかく落ち着きたい気持ちでいっぱいだった。 『話し合おうって……、 よく言うよ。 今朝、 一方的に言いたいことを言って 部屋を飛び出していったのはそっちだろ?』 耳が痛い。 確かに男の言う通りだった。 今もだけど今朝はかなり動揺していた。 でもよく考えれば相手もいい歳の大人だし、 きちんと話し合えば間違いだって分かってくれる気がした。 記憶があるのならまだしも 私にはその時の記憶が全くないのだから、 無効ということに話を持っていけるのではないだろうか、 と。
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