1822人が本棚に入れています
本棚に追加
言えばいうほどムキになって
余計に質が悪くなってゆく性格なのだと、
嬉しくはないが少しずつ男の性格が分かってきていた。
「二日!
せめて二日は頂戴!
両親にも話さなきゃいけないし、
心の準備もあるでしょ?」
私は必死だった。
少しでも日を伸ばして、
その間にどうにか回避策を練ろうと思っていたのだ。
そのためには、
男が了承してくれなくてはいけない。
だから無駄に日を伸ばし過ぎず、
男が折れると思われるギリギリの日数を提示したのだ。
でも男からはなかなかいい返事が返ってくる様子はない。
それどころか電話越しに男の深いため息が聞こえてきた。
――やっぱり駄目?
息をのみ緊張の面持ちで男からの答えを忍耐強く待つ。
最初のコメントを投稿しよう!