第1夜 Crazy Moon

105/110
前へ
/347ページ
次へ
ドカンッと爆発音が響いた後、 遠くからファンファンとパトカーのサイレン音が近付いてくるのが耳に届いた。 「それじゃあ、僕たちは姿を消そう」 「ああ、カイルはもう信者や組の人間に命を狙われることはねぇだろうし、ここに残れよ」 そう言って笑みを見せた樹利に、 カイルは「えっ?」と戸惑いの表情を浮かべたあと、 「……分かり、ました。 ちゃんと自分の間違いと犯した罪を償います」 と沈痛の面持ちで、コクリと頷いた。 「がんばれよ。色々スッキリして自由になったら、新宿で飲もうぜ」 樹利はそう言ってカイルの頭をクシャッと撫でた。
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12923人が本棚に入れています
本棚に追加