第1夜 Crazy Moon

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その大きな手のぬくもりに、胸が熱くなることを感じながら、 「は、はい!いつか必ず」 と顔を上げた時には、 樹利とパリスの姿は既になかった。 「樹利さん……パリスさん……?」 キョロキョロと周囲を見回すも、姿はなく。 もしかして彼等は本当に神の遣いだったんじゃないだろうか? とカイルは息を呑んだ。 「帰られたのですね、きっと。総本山に」 ファンファンとパトカーのサイレンが大きく響く中、カイルは目に涙を浮かべて胸に手を当てた。
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