第1夜 Crazy Moon

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「それは勿論……名前を考えるのが苦手だからだよ」 そう言ってニッと笑った樹利に、パリスは目を開いた。 「J18なら、樹利でいいやって感じで。 それより帰ろうぜ。あのボロ事務所に」 と片手を上げた樹利に、パリスは柔らかく微笑んだ。 「本当だね。帰ろうか」 「その前にこの白いダルダルの服をなんとかしなきゃな」 歩き出しながら服をつまんでそう言う樹利に、パリスはプッと笑った。 「確かに。 それに事務所はきっとめちゃくちゃになってるだろうね。掃除が大変だ」 「俺は飲みに行くから頼んだ、相棒!」 「って、樹利?」 「冗談だよ、一緒に飲みに行こう」 「そうじゃなくて」 樹利とパリスは顔を見合わせて声を揃えて笑い、 そんな二人を眩しい月が見守っていた。 【CrashMoon】 TheEND
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