第2夜 魅惑の口付け

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「きゃあ、樹利、素敵!」 ソファーに座るなりギュッと抱き着く女性客に、 「サンキュー、かわいいな」 樹利は彼女の肩を抱いて、こめかみにキスをした。 「ねぇ、今夜アフターしてくれる?ベッドで樹利の隅々を知りたいの」 身体をねじらせながらそう尋ねる彼女に、樹利は「ん~」と肩をすくめながら天井を仰いだ。 「ここがお店じゃなきゃ、お互いの隅々まで楽しく知り合いたいとこなんだけど……後ろでマイハニーが睨んでるから」 と樹利が背後を指すと、 「マイハニーって?」 怒りの形相で振り返った後、腕を組んで見下ろすパリスの姿に、彼女は思わずプッと笑った。 「やだ、マイハニーってパリス君のことぉ?二人はそんなカンケーなわけ?」
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