第2夜 魅惑の口付け

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『樹利さん、俺、がんばって仕事して、自分に合うイイ女を探します!』 目をキラキラさせながらそう言った彼に、 『おう、がんばれ』 と背中を軽く叩きながらそう言った樹利。 朝陽が眩しい、爽やかな朝だった。 「ストーカー撃退って、厄介な仕事かと思ったけど、結構簡単なものだったよな」 思い出したようにそう言う樹利に、言葉が詰まった。 あれは樹利だからこそ成しえたこと。 他の人間が同じようにやったからといって、上手く行くとは限らない。 樹利が放つ不思議なオーラは関わる人間に何かしらの変化をもたらす。 本人がそれをどこまで把握し、自覚しているのかはわからないけれど。
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