第2夜 魅惑の口付け

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――― ――――― ―――――――― 初入店した日。 「へぇ、あんたらがオーナーが欲しがってた人材か。せいぜいがんばりなよ」 そう言って長い前髪をかきあげた、歌舞伎俳優のような容姿の雅。 「一緒にガンバローね、てへっ」 とか、かわいらしさを過剰に演出しながらそう言う童顔の光。 「ピアノを使う時は僕を通してほしい」 眼鏡を正しながらそう言うクールな雰囲気の聖夜。 「まぁ、色々慣れねぇだろうけど、がんばれな」 咥え煙草に、大きく出した胸毛付き胸元のジゴロな雰囲気の譲司。 その4人は僕達を取り込んで笑顔を見せながらも、瞳の奥には警戒の色を見せていた。
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